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ある日突然、髪の毛が抜けてしまう急性の円形脱毛症は、ワンコイン相当のサイズのものがあちこちに出来ることから10円ハゲとも呼ばれています。出来る場所によってはかなり目立ってしまうので、見た目を損なうというダメージを受けることになります。

ただし、現在では様々な種類の治療法が開発されており、かなりの高確率で改善することが可能となっています。このために、それほど心配する必要はありませんが、適切な対処を取らなくてはなりません。そのためには、円形脱毛症についてきちんと把握しておくことが大切です。そこで、これからその原因と対策について説明していくことにします。


円形脱毛症とは?

円形脱毛症は、脱毛班が突如として生じる疾患のことです。基本的には、10円玉程度のサイズのものを指していますが、頭部全体に広がる重度なものや、まつ毛や眉毛、体毛に及ぶものなど色々な種類があり、症状の内容については非常に多様です。

なお、この症状については、約2,000年前の古代ローマの学者により既に指摘されていたのですが、円形脱毛症と命名されたのは1760年のことです。その後、19世紀以降に治療法などが構築されていくことになります。

ちなみに、アメリカでの発症率は人口の約0.1%から0.2%で、この確率は日本でもほぼ同様と考えられています。つまり、国内では10万人から20万人程度に発生しているということになります。なお、脱毛部位の面積が広いほど難治となっています。


円形脱毛症の種類 単発型



名前が示しているように、単独の脱毛班が発生するタイプで、円形脱毛症の中で最も一般的とされる症状です。年齢や性別による発症率の違いは確認されておらず、ほぼ均等に見られるのが特徴です。ちなみに、全体の約80%は、1年以内に改善します。

円形脱毛症の種類 多発型



脱毛班が複数以上発生した場合は、多発型円形脱毛症に分類されます。単発型から発展するケースだけではなく、何の前触れもなく突如として発生する場合もあります。また、単発型よりも改善に時間がかかる傾向にあり、半年から2年程度が一般的です。また、治ってから繰り返し再発することも少なくはありません。

円形脱毛症の種類 蛇行型



蛇行型とは、多発型の一形態に分類されている円形脱毛症で、まるで蛇が通った後のように頭髪が抜けてしまうのが特徴です。側頭部や後頭部の生え際部分の広範囲に及ぶケースも少なくはないので、かなり目立ってしまうことになります。なお、完治するまでには、数年間を要するので、腰を据えた取り組みが必要となります。

円形脱毛症の種類 全頭型



脱毛班が頭部全体に及ぶタイプのことは全頭型と呼ばれており、全ての頭髪が抜け落ちる状態にまで進行するのが特徴です。近年は、特に女性に多くみられることが報告されています。なお、治癒が困難な難治型に分類されており、生涯にわたって付き合わなくてはならないケースも考えられます。このために、治療と共に医療用ウィッグなどを用いて、クオリティーオブライフを高める工夫も必要となります。

円形脱毛症の種類 汎発型



汎発型は、頭髪だけではなく、まつ毛や眉毛、体毛にまで及ぶ症状のことです。このタイプは、自然治癒はほぼ見込めないということから、悪性円形脱毛症とも表現されています。複数の脱毛班が重なって全身に広がっているのが特徴で、急激に発症するのではなく、単発型が発展していくケースが大部分を占めています。

円形脱毛症の原因

このように、深刻な状態に発展する可能性がある円形脱毛症は、発症する原因も様々な種類が考えられています。かっては、ストレスとの関連性が有力視されていたのですが、それ以外にも色々な説が提唱されています。これらを紹介しながらアプローチの方法を探っていくことにしましょう。

ストレス



人間は、強いストレスを受けると交感神経が機能して対応するのですが、強すぎたり常態化した場合は異常をきたすことになります。すると、自己免疫が起こりやすくなり、自分自身の細胞を攻撃することになります。この矛先が、発毛に関与している細胞に向けられたことにより、円形脱毛症が発症するという仕組みです。

この説は、かなり有力だと考えられていたのですが、ストレスフリーの乳幼児でも円形脱毛症は発症しており、現在では数ある要因の一つとして認識されています。

遺伝



ストレスでは説明がつかない円形脱毛症は、遺伝的な要因が関係していると考えられています。しかも、比較的軽度な単発型ではなく、全頭型や汎発型などの根治が難しい症状との関連性が指摘されています。ちなみに、円形脱毛症全体の約2割程度には家族内発生があると報告されており、これらは遺伝が原因で発症していると見てよさそうです。

アレルギー



円形脱毛症の内の約8割は、金属アレルギーやアトピー要因を持つことが判明しており、何らかの関連性があると推測されています。これらにより発症した場合は、単発型であっても根治が難しく、症状が重くなるケースが多くみられています。

ホルモンバランスの乱れ



40代以降に発症する円形脱毛症は、更年期障害の一種と考えられています。つまり、性ホルモンの分泌量が低下したことにより、バランスが崩れてしまったことにより異常が生じるのです。ちなみに、更年期障害というと女性をイメージしがちですが、男性も無関係というわけにはいきません。

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円形脱毛症の治療法

円形脱毛症の治療法については、皮膚科学の社団法人である日本皮膚科学会が2,010年に診療ガイドラインを作成しています。これは、エビデンスレベルにより推奨度を決定するという仕組みで、AからDまでの5段階に分類しています。ちなみに、円形脱毛症の治療法では、行うよう勧められるという意味のBが最高ランクとなっています。つまり、現時点では強く推奨できるという意味のA評価を受けられる治療法は存在していないということになります。

それでは、この日本皮膚科学会の円形脱毛症診療ガイドラインで高評価を得た治療法と、逆に行ってはいけないと指定された治療法について紹介することにします。

ステロイド局所注射



この治療法は、頭部の脱毛斑に対して直接ステロイドを皮内に注射するという内容で、炎症を抑制することで自己免疫性疾患を改善することを目的としています。ちなみに、行うよう勧められると評価されるに至った理由は、有効性を示す3件の非ランダム化比較試験のデータが存在しているからです。

なお、これらのデータのいずれでも、局注部位における皮膚萎縮が報告されています。このために、実施する際には十分な注意が必要であり、脱毛班が広範囲に及ぶ場合は他の治療法との比較検討が必須となります。また、小児以下の円形脱毛症に対しては、長期的な経過を見た症例が少なく、危険度と有益性の比較ができないので、実施しないことを基本としています。

局所免疫療法



この治療法は、多発型や全頭型、汎発型などの難しい症状に対しての第一選択肢に推奨されています。これは、2 編の症例対照研究と7編の症例集積研究により、脱毛の範囲が縮小する信憑性の高い根拠が見出されているということが理由です。

一方、局所のリンパ節腫脹や全身性接触皮膚炎、機械性蕁麻疹などを併発することもあるので、注意しなくてはなりません。

ミノキシジル



一般的な脱毛症において最も信頼できる外用治療と評価されているミノキシジルは、円形脱毛症では用いても良いという意味のC1に分類されています。これは、ランダム化比較試験により、プラセボと比較して脱毛範囲を縮小させることを示す弱い根拠が見出されているからです。

ただし、充分な効果を発揮するという根拠は得られていないので、脱毛班が広範囲に及んでいる場合は無効と考えられており、単発型や多発型といった比較的症状が軽度な場合における併用療法の一種として推奨されています。

鍼灸治療



一般的な脱毛症や円形脱毛症の原因の一端である更年期障害治療に用いられている鍼灸療法は、意外なことに行うべきではないという意味のDに分類されています。これは、医学的に評価できるレベルに達した症例報告や症例集積研究が存在していないからで、有益性を論じる段階ではないということが理由です。

ただし、病状や経過の記載が不十分で、施行間隔や施行回数も不明ではありますが、1編の症例集積研究と4編の症例報告が存在しています。これらでは、罹患期間1年未満14 名、1年以上2年未満18名、2 年以上3名の多発型及び全頭型35例に鍼治療を行い、50% の領域で頭髪が回復したもの9例、10%の領域で回復し たもの16例という内容です。また、有害事象に関しては報告されていません。

まとめ

円形脱毛症は、一筋縄ではいかない症状で、放置すると思わぬ事態に進行するケースは少なくはありません。このために、単発型であっても軽視するのではなく、速やかに医療機関で診察を受けるのが適当です。なお、円形脱毛症はAGAなどの一般的な脱毛症とは異なり、健康保険が適用される保険診療に分類されているので、標準治療であれば費用面での負担はそれほど大きくはありません。

また、中には専門外来を用意している医療機関も存在しており、豊富な実績に基づいた適切な治療が提供されています。このために、一人で悩んでいるのではなく、専門家にお任せするのが適当です。まずは、クリニック選びからスタートするのが、良いのではないでしょうか。

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